\EnkoToubun
円弧の n等分点を求めます。
定義されているスタイルファイル †
emathPh.sty
書式 †
\EnkoToubun<#1>#2#3#4#5#6#7
- dousa
- 定義した点列を結ぶ折れ線に対する動作を指定します。右辺値は
- D
- \Drawline を呼び出し,折れ線を描画します。'D'に引き続き \Drawline のオプション引数を記述することも可能です。
- T
- \Takakkei を呼び出し,多角形を描画します。'T'に引き続き \Takakkei のオプション引数を記述することも可能です。
- P
- \emPaint を呼び出し,塗りつぶします。'P'に引き続き \emPaint のオプション引数を記述することも可能です。
- enko
- 円弧も描画します。
- kuromaru
- 定義した点に黒丸を描画します。
- nahuda
- 定義した点に名前を表示します。
- oresen
- 定義した点列を結ぶ折れ線を取得します。右辺値は取得する制御綴名です。
- ptatebou
- 分点に,円弧に垂直な短い線分を描画します。
- tatebou
- 分点に縦棒(|)を置きます。
- #2: 中心
- #3: 半径を直接与えるか
tuukaten=xx として,円弧の周上の一点を与えます。
- #4: 始め角を直接与えるか
hazimeten=xx として,中心を始点,xx を終点とするベクトルの
方向角を 始め角とするように指定します。
- #5: 終り角を直接与えるか
owariten=xx として,中心を始点,xx を終点とするベクトルの
方向角を 終り角とするように指定します。
(+ と指定した場合は,#5=#4+360)
(- と指定した場合は,#5=#4-360)
- #6: 分割数
- #7: 分点の名前(配列基幹名,または,コンマ区切り点列名)
#7 において,戻る分点の個数は
#5 で +, - を指定した場合は, n個
それ以外の場合は両端を含め (n+1)個
基本例 †
第1象限の四分円を 4等分する分点(両端を含む)
\Pi,\Pii,\Piii,Piv,Pv
を求めます。
- n等分点を配列形式ではなく,個別に名称を定める方式です。
四分円の4等分点を両端を含め \A, \B, \C, \D, \E と指定する例です。
- この方式では,#7で与えるべき名称の個数は(n+1)でなければなりません。
個数が不一致の場合はエラー
! EnkoToubun:arg7 doesn't much arg6.
が発生します。
正多角形 †
分割対象の円弧が全円周の場合は,得られた点は正n角形の頂点となりますが,
この場合,終り角は + または - と与えます。
+ と与えた場合,得られる点列は円周上正の向きに並び,
- とした場合は,負の向きに並びます。
- この場合,得られた点列の両端は一致しますから,その個数は(n+1)個ではなく,
n個となります。
<dousa=..> オプション †
\EnkoToubun コマンドは,点列を定義するだけです。
これに,<dousa=..> コマンドを付加すると,右辺値が
D : 点列を結ぶ折れ線を描画 (\Drawline 呼び出し)
T : 点列を結ぶ折れ線を閉じた多角形を描画 (\Takakkei 呼び出し)
P : 点列を結ぶ折れ線を閉じた多角形内部の塗り (\emPaint 呼び出し)
さらに,D/T/P に引き続き,呼び出すコマンドに対するオプションを記述できます。
<dousa=D> オプション †
<dousa=D> オプションを付した場合,定義した点列を結ぶ折れ線を描画します。
- dousa=D に引き続いて,\Drawline に引き渡すオプションを記述できます。
この場合,オプション記号 <..> がネストしますから,dousa=... の右辺値全体をグルーピングしておきます。
<dousa=T> オプション †
dousa=D オプションでは,定義した点列の終点と始点は結ばれません。
- 終点と始点を結んで,閉多角形を描画するには,<dousa=T> オプションを用います。
- dousa=T に引き続いて,\Takakkei に引き渡すオプションを記述できます。
この場合,オプション記号 <..> がネストしますから,dousa=... の右辺値全体をグルーピングしておきます。
<dousa=P> オプション †
<dousa=P> オプションは,定義した点列を結ぶ閉多角形内部を塗りつぶします。
塗りつぶしは,\emPaint コマンドを呼び出すことで実行されます。
- dousa=P に引き続いて,\emPaint に引き渡すオプションを記述できます。
この場合,オプション記号 <..> がネストしますから,dousa=... の右辺値全体をグルーピングしておきます。
名札 <nahuda> オプション †
頂点に頂点名を表示するには,<nahuda> オプションを用います。
- 頂点名を配列基幹名で指定した場合,表示される頂点名は,配列基幹名が A の場合
Ai, Aii, Aiii, ....
ではなく,
A$_1$, A$_2$, A$_3$, ...
となります。
- 頂点名が表示される位置は,中心と頂点を結ぶ線分を 0.8em だけ延長した点です。
延長量を変更するには,<nahuda=..> の右辺値に延長量を指定します。
分点にマーク †
黒丸 <kuromaru> オプション †
- <kuromaru> オプションをつけた場合は,頂点に黒丸を表示します。
縦棒(文字) <tatebou> オプション †
<tatebou> オプションは,分点に縦棒(文字`|'を円弧と垂直になるよう回転したもの)を配置します。
縦棒(描画) <ptatebou> オプション †
<tatebou> オプションが文字`|'を配置するのに対し,
<ptatebou> は,円弧に垂直な短い線分を描画します。
- 短い線分の長さを変更するには, ptatebou=.. の右辺値に単位を伴う寸法を指定します。
デフォルトは 5pt (円の外部・内部併せて 10pt)となっています。
- 右辺値には,長さに引き続いて \Drawline に引き渡すオプションを記述することも可能です。
その他 †
黒丸以外の記号をつけたければ,\Takakkei の <vmark=..> オプションを利用します。
モーレー (Morley) の定理 †
角の三等分線 †
まずは,\EnkoToubun を用いて三角形の内角の三等分線を描画することから。
モーレーの定理 †
三角形の各辺の両端における内角の三等分線のうち,
この辺に近いもの同士の交点は,1つの正三角形を作る。
- 初等幾何の証明は,例えば
矢野健太郎「幾何の有名な定理」(共立出版,数学ワンポイント双書 36)
ルーローの三角形 †
ルーロー(Reuleaux)の三角形を描いてみます。
ルーローのドリル †
- ルーローの三角形は,正方形の中で内接しながら回転することができます。
この特長を利用したドリルを使うとほぼ正方形の穴をあけることがでますが,
ルーローの三角形の内角は正方形の内角(直角)より広いですから,角は削りきれず楕円弧になります。
その楕円弧を描画し,削りきれない部分の面積を求めた例です:
ルーローの多角形 †
ルーローの n角形(n は奇数)も同様に描画できます。
- 他の多角形を描くには,\def\nval{5} の値を変えるだけです。
プリヒタの素数円 †
24分割した素数円です。
- プリヒタの素数円については
ニュートン別冊「ゼロと無限 素数と暗号」
入試問題から †
関連事項 †