\KinziEnko
円弧の折れ線近似を取得します。
定義されているスタイルファイル †
emathPh.sty
書式 †
\KinziEnko<#1>#2#3#4#5#6
基本例 †
円弧を描画するには \Enko コマンドを用いるのが普通です。
なぜに,\KinziEnko かといいますと,領域塗りつぶしのさい,
境界線の一部に円弧が登場する場合は,\Enko ではうまくいかないからです。
- 上の例では,原点中心半径1の円の90°から360°までの円弧を近似する折れ線 \oreseni を取得しています。(図の赤色の部分です)
これを \emPaint* に引き渡しますと,始点(A)と終点(B)を結ぶ線分が付加された閉多角形の内部が斜線塗りされます。
始点,終点の指定 †
円弧の始点,終点は中心と点を結ぶ線分の方向角で指定しますが,点そのものを指定する方法もあります。
下の例では,原点を中心とする単位円と,直線 x=2/3 で囲まれた2つの領域のうち,小さい方を斜線塗りします。
\CandL などで直線と円の交点を求め,hazimeten=.., owariten=.. で始点・終点を指定しています。
円弧の向き †
通常は,円弧の出発点は偏角の小さい方で,終点は偏角の大きい方です。
下の例では,原点を中心とする半径1, 2の2つの円の間(第1象限)を斜線塗りしたかったのですが.....
- おかしなことになってしまいました。
この場合,円弧AB, CDとも0°から90°までと指定していますから,向きがA→B, C→Dとなりますので,折れ線 ABCD はねじれてしまいます。
どちらか一方の向きを逆転させる必要があります。ここでは C→D を D→C と逆転させることにします。
\KinziEnko\O{1}{0}{90}を
\KinziEnko\O{1}{90}{0}として,始点と終点を入れ替えますが,これだけでは駄目なのです。刻み値を負にする必要があります。
刻み値の変更は <...> オプションで行いますから
\KinziEnko<-0.02>\O{1}{90}{0} などとします。
- ちょっとサボっています。
\KinziEnko<->\O{1}{90}{0}
として,デフォルト値 (0.02) を符号のみ変更という指示をしています。
- さらにサボって,始め角 > 終わり角 の場合は,強制的に刻み値を負にします。
入試問題から †
関連事項 †