TeXWorks で perlとの連携を実現する方法
TeX を処理する統合環境のひとつである TeXWorks を用いて,
perl との連携機能を実現する方法を記します。
ただし,emath は丸ごとパックではなく,訂正版を前提とします。
emath.pl などの配置(1) †
まずは,当 emathWiki の perlとの連携 ページをご覧のうえ,
連携の準備
という項までを実行します。
「TeXWorks の設定」ダイアログ †
これからの作業では,「TeXWorks の設定」という名のダイアログを用います。
- TeXworks を起動します。
- そのメニューバーから
編集
設定
とたどると,「TeXWorks の設定」なるダイアログが登場します。
その「タイプセット」なるタブをクリックすると
(このダイアログ内の表示は TeX環境,TeXWorks のバージョンによって異なります)。
「タイプセットの方法」ダイアログ †
「TeXWorks の設定ダイアログ」で,
「タイプセットの方法」ブロック右下「+」ボタンと「−」ボタンが並んでいますが,「+」ボタンをクリックします。
「タイプセットの方法を設定する」というダイアログが登場します:
ptex2pdf の存在確認 †
以下は,TeXWorks のバージョンによって,さらには OS によって対応が異なります。
TeX 関連実行ファイルの中に
ptex2pdf.exe (環境によっては .exe は表示されない)
のあり/なしで処理法が異なります。
- ptex2pdf の存在を確認するには
- tex 関連の実行ファイルにパスが通っている場合
コマンドプロンプト(MAC ではターミナル)で,キーボードから
which ptex2pdf
と打ち込み,エンターキーを押します。
存在すれば,そのフルパスが返ってきます。
- パスが通っていない場合
「TeXWorks の設定」ダイアログを呼び出します。
引き続き,「タイプセットの方法」ダイアログを呼び出します。
以下,このダイアログで偵察をしますが,作業が終わったら,右下
OKボタン,キャンセルボタン
のうち,キャンセルボタンを押して元に戻します。
その「プログラム:」の右「参照」ボタンをクリックすると,
TeX 関連実行ファイルの一覧
が表示されます。その中に "ptex2pdf" が存在するか否かを調べます。
確認したら「キャンセル」ボタンを何回か押して TeXWorks の画面に戻ります。
ptex2pdf.exe が存在する場合 †
ptex2pdf.exe が存在しない場合 †
TeXWorks は,発展途上のソフトのようです。
以下対処法を述べますが,TeXWorks を更新 --- というより TeX を更新して,
ptex2pdf.exe が存在する状態にするのが,賢明策と思います( texlive 2013 以降にすればよい)。
Windows の場合 †
- 次の内容のファイルを shellescape.bat という名前で,tex 関連の実行ファイル(例えば latex.exe )が存在するディレクトリに作成します。
platex -shell-escape -kanji=utf8 -synctex=1 -guess-input-enc "%1" && dvipdfmx "%~n1"
- 「TeXWorks の設定」ダイアログを呼び出します。
引き続き,「タイプセットの方法」ダイアログを呼び出します。
この空欄を埋めていきます。
- まず,「名前:」欄はお好みで。ここでは "shellescapebat" として進行します。
- 「プログラム:」欄は "shellescape.bat" とします。
(右の「参照」ボタンを押して shellescape.bat を選んでもよい。)
- 「引数:」欄の入力は次の1行だけです。
$fullname
「引数:」の右空欄に直接キーボードから入力は出来ません。
空欄右下外の「+」ボタンを押してでてくる小さな窓に入力します。
以上の入力が正しく行われたら,「OK」ボタンを何回か押して TeXWorks に戻ります。
MAC の場合 †
動作確認(1) †
- まず,次の内容のファイル perllib.tex を作成します。
\documentclass{jarticle}
\begin{document}
start
\write18{perl -V>perllib.txt}
end.
\end{document}
- TeXWorks を起動します。
メニューバーの下,ツールバー一番左に,緑の円内の右向き矢印が指す位置に
タイプセット時に使用するツール名
が表示されています。その右にある下向き矢印をクリックするとプルダウンメニューが開きます。
その中から先ほどあなたが作った shellescape or shellescapebat があるはずですから,それを選択します。
続いて,
メニューバーから
タイプセット
タイプセット
とするか,ショートカットキー
CTRL-T
でタイプセットを実行します。
- エラーなく実行できましたか。エラーが起きたら,今までの作業を再確認してください。
作成された PDF には,用がありません。
perllib.tex と同一ディレクトリに perllib.txt というファイルが出来ているはずです。これが次の作業のネタとなります。
emath.pl などの配置(2) †
- 始めに,emath.pl を配置したはずですが,
TeXWorks は身勝手なソフトで自分用のものを要求します。
上で,perllib.txt というテキストファイルを作ったはずですが,それをエディタで開きます。
最下行から少し上に
@INC:
という行がありますが,その下のディレクトリにも
emath.pl
などを配置しておかねばなりません。
動作確認(2) †
次のファイルをタイプセットします。
\documentclass{jarticle}
\usepackage[notMy]{emath}
\usepackage{emathPp}
\begin{document}
漢字
\calcval[s]{sqrt(2)}\foo
\foo
あいうえお
\end{document}
√2の近似値が表示されましたか?
関連事項 †
- 日本語の文字化け
TeXWorks で日本語が文字化けするという場合は,その原因は
エンコードの不一致
です。一番望ましい(TeXWorks から見て)のは
utf8
で統一することです。
最近の TeXWorks では,TeXWorks のエディタのエンコードを指定できるようにはなっています。
「TeXWorks の設定ダイアログ」のエディタタブの中程に
「エンコーディング:」
とあります。
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