\Drawline
折れ線を描画します。
emathPh.sty
\Drawline<#1>#2
#2 に与えられた点列を線分で結んでいきます。
#1 における有効な key は
以下,emathPs.sty で定義されている pszahyou(*)環境特有のオプションです。
点列を線分で結んで折れ線を描画します。
線分の線種を変更します。 まずは,<sensyu=\dottedline.. で,点線を指定します。
<sensyu=\dashline.. は,破線です。
<sensyu=\hasen.. も使えますが, \Hasen コマンドを用いる方が普通でしょう。
<sensyu=\chainline.. は鎖線です。
折れ線の始点・終点に矢印を附加します。 <yazirusi=a> とすると,終点に矢印がつきます。
<yazirusi=r> とすると,始点に矢印がつきます。
<yazirusi=b> の場合は,始点・終点両方に矢印がつきます。
<yazirusi=.> オプションで矢印をつけた際,その矢印のサイズを変更します。 右辺値は,デフォルトを 1 とする相対値(無名数)です。
線分の太さを変更するには, linethickness=.. オプションを用います。右辺値は,単位を伴う長さです。 デフォルトは zahyou(*)環境では linethickness=0.3pt pszahyou(*)環境では linethickness=1pt に相当します。
折れ線に色をつけます。
折れ線の角を丸くします。 折れ線の角を円弧にしますが,その半径を oval=.. の右辺値に指定します。 右辺値は単位を伴う長さですが,無名数の場合は \unitlength が単位であるとみなされます。 Oval=.. も有効で,oval=.. と同義です。
線分と円弧が接続されますが,<sensyu=..>オプションは線分に対してのみ働きます。 下の例で,線分は破線になりますが,円弧は実線のままです。
円弧も破線とするには,pszahyou環境で<dash=..>オプションを用います。
折れ線を平行移動するオプションが <idou=..> です。 右辺値は,ベクトル成分で,各成分は 無名数,単位つき数値 のいずれでも良く,無名数の場合は単位が \unitlength であると解釈されます。 (xscale, yscale の影響を受けます。)
破線を描画するには,<dash=..> オプションを用います。 右辺には, 描画部分の長さ,描画しない部分の長さ の繰り返しとなる偶数個の数値(無名数)を与えます。 詳しくは,\setdash コマンドについてのページをご参照ください。
右辺値の冒頭に [..] とすることで, 開始位置のオフセットを指定する機能があります。 下の例の場合,オフセット [.05] が指定されましたから 初めの(点Aのところ)描画部分の長さが 0.15-0.05=0.10 と短くなります。
次の例は,Oval=.. との併用です。
さらに yazirusi=. と併用してみます。 鏃のサイズを変更するには,さらに arrowsize=.. と併用することとなります。
破線で描画するもうひとつのオプション <hasenLG=..> です。 下右図,2本の線分が破線で描かれていますが, 上が <dash=..> 下が <hasenLG=..> オプションによるもので,右辺値は同一です。 dash による指定は,指定通りの長さで「描画,空白」が繰り返されますが, hasenLG による指定は,両端が「描画」で始まり,終わるように長さが調整されます。
<hasenLG=..>オプションによる描画は,\Hasen コマンドと同様ですが, 折れ線に対しては状況が変わってきます。 下の3つの図で, 一番上は,<dash=..> によるもので,折れ点 B が不明確です。 二番目は,\Hasen コマンドによるもので,折れ点 B において,V字上の欠けが見られます。 三番目は,<hasenLG=..> によるもので,折れ点補正がかけられています。
折れ線に矢印をつけると,鏃が貧弱に見えます。 これは,デフォルトでは矢線の幹の太さを 0.3pt として鏃サイズが設定されているのに対し, ここでは幹(折れ線)は 1pt で描画されているため,バランスが崩れていることによります。
折れ線の太さを 0.3pt にするには,上で述べた <linewidth=3> オプションを用います。
逆に鏃サイズを大きくするには <arrowsize=..> オプション を用います。右辺値は,\setarrowsize コマンド \setarrowsize<#1>#2#3#4 の引数をそのまま記述します。 ただし,#2 -- 幹の太さ -- は無効です。 この場合,幹は折れ線でその太さは <linewidth=..>オプションで変更します。 このオプションは局所的で,当該 \Drawline についてのみ有効です。 広範囲に鏃サイズを変更するには,\setarrowsizeコマンドを用います。
折れ線の折れ点の状態は 線分を重ねただけではV字型のクサビが出来てしまいます。 PostScript には,これを修正する方法が3通り用意されています。 それを切り替えるオプションが <linejoin=..> です。右辺値は 0 : マイター接続(デフォルト) 1 : ラウンド接続 2 : ベベル接続 のいずれかです。
まずは,zahyou環境の状態からみていきます。 \Drawline は,折れ線を描画するとはいえ, 個々の線分を重ねて配置するだけです。 線分が太くなると,V字型の切り欠きが目立ってきます。
なお,この項は図を拡大したくなりますので
PDFファイルを用意しました。
pszahyou環境でも,個々の線分を描画したものを連ねた場合は,上と同様です。
しかし,\Drawlineの引数に点列を与えて折れ線を描画させると, 折れ点で「マイター接続」と称される補正が行われます。 すなわち,線分AB, BCの外側のエッジを延長し,交わらせます。 上の図と下の図では,`B'の位置は同じです。 下の図では,折れ線が`B'の位置近くまで延長されていることがお分かりでしょうか。
マイター接続では,本来の点B--赤線の交点--と折れ線の頂点がだいぶずれてしまいます。 折れ点の接続表現法には「マイター接続」以外も用意されています。
その一つが「ラウンド接続」です。 線幅と等しい直径を持つ円弧を折れ点を中心として描画します。
もう一つが「ベベル接続」と呼ばれるもので, 単に線分を重ねて出来るV字型の切込みを塗りつぶします。
線分を接続する場合,その点の処理法は linejoin の値によることは上で述べた通りですが, 開いた端点については,linecap の値で処理を指定することが出来ます。 右辺値は 0(default), 1, 2 のいずれかです。 0 断ち切り型 (butt cap) : パスの端点において四角形に線を打ち切る。パスの端点から突出する部分はない。 1 丸型 (round cap) : 直径が線幅に等しい半円弧が端点の周囲に描かれ,内部が塗りつぶされる。 2 角型 (projecting square cap) : パスの端点から線幅の半分の距離を越えるまで線を引き続け,四角形に線を打ち切る。
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