\EMtheorem
\newtheorem
LaTeX のコマンド \newtheorem を拡張したものです。
定義されているスタイルファイル †
emathThm.sty
書式 †
\EMtheorem<#1>#2...
- #1: key=val
- #2...: LaTeX の \newtheorem と同じ
#1 における有効な key は
- frame
- \theoremstyle{boxed} とした場合,枠の種別を変更します(デフォルトは rectbox)。
- frameoption
- \theoremstyle{boxed} とした場合,枠環境(rectbox など)に対するオプションを指定します。
- leftmargin
- 定理型環境内の左インデントを指定します(デフォルト値 = 1zw)。
- postskipamount?
- 定理環境と次の段落との縦間隔(デフォルト値 = 8pt)
- postTh
- 定理型環境の末尾に出力する文字列(証明終了記号など)
- postThnum
- 定理番号に後置する文字列などを指定します。
- preskipamount
- 定理環境と前の段落との縦間隔(デフォルト値 = 12pt)
\EMtheorem(\newtheorem) で定義された環境の代表を foo として
\begin{foo}<#1>[#2]
- #1: key=val
- #2: 追加見出し(LaTeX と同じ)
#1 における有効な key は
- frameoption
- \theoremstyle{boxed} とした場合,枠環境(rectbox など)に対するオプションを指定します。
- leftmargin
- 定理型環境内の左インデントを指定します(デフォルト値 = 1zw)。
- postskipamount?
- 定理環境と次の段落との縦間隔(デフォルト値 = 8pt)
- postThnum
- 定理番号に後置する文字列などを指定します。
- preskipamount
- 定理環境と前の段落との縦間隔(デフォルト値 = 12pt)
- thbstrut?
- \theoremstyle{break} における先頭行の支柱
LaTeX の \newtheorem †
LaTeX で定義されている \newtheorem の使用例から見ていきます。
- teiri環境など,\newtheorem で定義された環境内では,
アルファベットがイタリック(\itshape)となります。
上の例で数式部分は \caprm によりローマン体となっていますが,
\caprm が有効なのは数式に対してのみで,テキスト部には働きません。
theorem.sty の \newtheorem †
theorem.sty で定義されている \theorembodyfont コマンドを用いるとテキスト部をローマン体とすることが出来ます。
emathThm.sty の \newtheorem †
emathThm.sty では,\newtheorem を拡張し,\EMtheorem と名付けていますが,
さらに \newtheorem を \EMtheorem と同義のコマンドとしています。
なお,theorem.sty の \newtheorem を \ltxnewtheorem の名前で保存してあります。
- 定理型環境内の文に対して,全角一文字幅の左インデントを付けています。
- 定理型環境のオプション引数は括弧でくくられて出力されますが,
括弧記号を全角括弧としています。
左インデント †
\EMtheorem では,定理型環境内は 1zw の左インデントが付きます。
これを変更するには,<leftmargin=..> オプションを用います。
下の例では,<leftmargin=0pt> として,左インデントなしとしています。
末尾に終了記号 †
定理型環境末尾に終了文字列などを配置するには
<postTh=..> オプション
を用います。
\theoremstyle †
theorem.sty で定義されたコマンド \theoremstyle を用いれば,
定理のレイアウトを変更することが出来ます。
- 以下,emathThm.sty で定義されているスタイルをいくつか例示します。
枠囲み --- boxed --- †
\theoremstyle{boxed} を宣言した後,\newtheorem で定義される定理型環境は
rectbox 環境内に配置され,枠囲みされます。
「定理」とその番号は,枠上辺左に出力されます。
- \theoremstyle{boxed} とした場合は,左インデントのデフォルト値は 0pt となります。
rectbox環境へのオプション --- frameoption †
rectbox環境など枠囲み環境へのオプションは
\newtheorem<frameoption={...}>......
と,frameoption=.. の右辺値に記入します(右辺値全体を{...}とグルーピング)。
- 枠線と中の文との間隔を空ける例です。
- 枠見出しと枠線との横間隔を空ける例です。
- 枠コーナーを四分円とする例です。
- 個別の環境に frameoption をつける例です。
枠の種別変更 --- frame †
デフォルトでは,枠環境は rectbox としてあります。
これを変更するには
frame=...
オプションを用います。
枠内に「定理」 †
「定理 1」などを枠線上ではなく,枠内に出力したい,
ということなら,
\theoremstyle{boxed}
は指定せず,単純に
\newtheorem{teiri}{定理}
と定義し,rectbox環境など枠囲み環境の中で
\begin{teiri}
...
\end{teiri}
とするだけのことです。
- 背景色をつけるなどは,rectbox の機能を用います。
番号なし --- nonumber --- †
\theoremstyle{nonumber} を宣言した後,\newtheorem で定義される定理型環境は
番号がつきません。
- 定理環境と証明環境の間,縦間隔が空きすぎであるというなら,
証明環境とその前段との縦間隔を <preskipamount=..> により調整します。
- さらに詰めるとなれば,定理環境の postskipamount を調整します。
- 上の例では,証明環境の方は
\newtheorem のオプションで,すべての証明環境に対して一律に,
定理環境の方は
\begin{teiri} のオプションで,当該 teiri環境に対して局所的に
指定しています。
番号なし,改行 --- nonumberbreak -- †
番号をつけない定理型環境において,定理見出し直後に改行します。
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