emath.sty などの置き場所は,
TeX の他のスタイルファイルと同様
です。
それではわからん
という方のために,一案を提示します。
作業は,
Windows では,コマンドプロンプト
Mac では,ターミナル
での操作となります。
Windows におけるコマンドプロンプトの操作に不慣れの方は
コマンドプロンプトのページ
をご覧ください。
ユーザ用 texmf の作成 †
ホームディレクトリの確認 †
コマンドプロンプト(MAC ではターミナル)で,キーボードから
echo %USERPROFILE%
(MAC では,printenv HOME)
と打ち込みエンターキーを押します。
- たいていの場合は
C:\Users\*****
が返ってきます。
(***** の部分はあなたが登録したユーザ名です。)
なんの反応もない場合は,次の項に移ります。
この調査で得られた結果をホームディレクトリと呼びます。
(私の場合は
C:\Users\ookuma
となっています。)
ユーザ用 texmf の作成 †
置くべき texmf の位置を探す。 †
emath.sty などの置き場所ですが,
近年の TeX は,多重TEXMFツリーとやらで,チト複雑です。
基本調査 †
まずは,コマンドプロンプト(MAC ではターミナル)で,
操作A:
kpsewhich --expand-path=$TEXMF
(mac では
kpsewhich --expand-path='$TEXMF')
とした結果を眺めます。
結果は環境依存です。事例をいくつかご覧ください。
- 上の事例で,**** はユーザ名で,/Users/****/ はホームディレクトリを表しています。
- 事例1 のように,texmf が一つしかない場合は別として,複数の texmf が,
Windows ではセミコロン (;) で区切られ,
Mac ではコロン (:) で区切られて並びます。
(Windows において,ディレクトリの区切り記号は¥(円記号)ですが,TeX では /(スラッシュ)です。)
- 操作A を実行したとき,
そんなコマンドは知らん
などの反応が返る場合は,
まずは,スペルミスを疑います。
(コマンド kpsewhich と,そのオプション --expand.... の間には半角空白が入ります。)
スペルが正しい場合は,TeX に path が通っていないのでしょう。解決法は
TeX に path を通す
あるいは
kpsewhich をフルパスで記述
します。
- コンピュータに複数の TeX がインストールされている場合,
path の設定が古いままですと,古い方の TeX が使われてしまいます。
path の設定を新しい方に変更するか,もしくは,フルパスで kpsewhich を起動します。
myTEXMF の決定 †
当サイトだけの呼称ですが,emath.sty を配置すべき texmf を myTEXMF と称します。
事例1 のように,操作A の結果,texmf がひとつだけの場合は,それを myTEXMF とします。すなわち,事例1 では
myTEXMF=c:/usr/local/share/texmf
この場合,myTEXMF は決まりましたから,次の節に進みます。
事例2 以下のように複数の texmf が存在する場合は,myTEXMF を定めるため,
以下の操作を行います。
コマンドプロンプト(MAC ではターミナル)で,
操作A1:
kpsewhich --expand-path=$TEXMFHOME
(mac では
kpsewhich --expand-path='$TEXMFHOME')
この結果,操作A で得られた複数の texmf のうちの一つが返ってきたら,
それを myTEXMF とします。
例えば,事例2 の場合は
myTEXMF=c:/Users/****/texmf
となるでしょう。
この場合,myTEXMF は決まりましたから,次の節に進みます。
操作A1 の結果何も返ってこなかった場合は,
次の操作を行います。コマンドプロンプト(MAC ではターミナル)で,
操作A2:
kpsewhich --expand-path=$TEXMFLOCAL
(mac では
kpsewhich --expand-path='$TEXMFLOCAL')
この結果,操作A で得られた複数の texmf のうちの一つが返ってきたら,
それを myTEXMF とします。例えば,事例7 の場合は
myTEXMF=/usr/local/teTeX/share/texmf-local
となるでしょう。
この場合,myTEXMF は決まりましたから,次の節に進みます。
操作A2 の結果何も返ってこなかった場合は,
次の操作を行います。コマンドプロンプト(MAC ではターミナル)で,
操作A3:
kpsewhich --expand-path=$TEXMFMAIN
(mac では
kpsewhich --expand-path='$TEXMFMAIN')
この結果,操作A で得られた複数の texmf のうちの一つが返ってきたら,
それを myTEXMF とします。
texmf の下のサブディレクトリ名 †
myTEXMF の下にサブディレクトリを作りますが,その名称を決めるため,コマンドプロンプト(MAC ではターミナル)で,
操作B:
kpsewhich --progname=platex jarticle.cls
とした結果を眺めます。
結果は環境依存です。事例をいくつかご覧ください。
- 事例を3件しか書きませんでしたが,もちろん環境依存で,千差万別です。
- この結果の文字列を左から走査して
.../texmf/
あるいは
.../texmf-dist/ など
の次の文字から,
/base/...
の直前の文字までの部分を mySUBDIR と称します。例えば
事例11, 12 では,mySUBDIR=tex/platex
事例13 では,mySUBDIR=ptex/platex
- 環境によっては,操作B の結果が返ってこないことがある,
という事例が掲示板にあります。対応策を含めてこちらをご覧ください。
emath.sty の置き場所 †
操作A, B の結果から,emath.sty などを置くべき場所が
myTEXMF/mySUBDIR/misc/emath
と定まります。例えば,
操作A の結果が事例2, 操作B の結果が事例11 であれば
c:\Users\****\texmf\tex\platex\misc\emath
操作A の結果が事例6, 操作B の結果が事例13 であれば
/usr/local/teTeX/share/texmf-local/ptex/platex/misc/emath
emath.sty などの配置 †
丸ごとパックを解凍して得られる sty.zip をさらに解凍して得られるファイルすべてを
上のディレクトリにコピーします。
mktexlsr †
lsr を使用している環境(例えば,texlive でインストールした環境)では,
コマンドプロンプトで
mktexlsr
を実行します。
場合によっては,管理者権限が必要です。
- mac などの場合,単に mktexlsr ではなく,
sudo mktexlsr
としなければならないこともあります。
関連事項 †
注意事項 †
- 置き場所は,ここでなければならない,ということはありません。
- コンピュータに複数の TeX がインストールされている場合,
path の設定が古いままですと,古い方の TeX が使われてしまいます。
path の設定を新しい方に変更するか,もしくは,フルパスで kpsewhich, mktexlsr を起動します。
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